内容説明
円熟世代の100日習慣
漢字の読み書きで認知症を予防
日本が長寿大国と言われるようになってから久しいですが、現在の日本の平均寿命は何歳でしょうか。
WHO(世界保健機関)によれば平均寿命の国別順位では、日本が世界一位の長寿国。平均寿命は、84.5歳でした。(2024年8月発表)
世界平均の71.4歳と比べて13歳も長寿国なのです。
人生百年時代の到来はもう少し先かもしれませんが、九十年時代はそう遠くない話に聞こえてきます。
一方で、健康でいられるのは何歳までなのでしょうか。
同じくWHOの統計によると、日本の健康寿命は73.4歳と平均寿命との差は10歳ほど。つまり、多くの日本人は10年近くの間、日常生活になんらかの支障があるということです。
高齢になると、さまざまな疾病に罹ることが増えますが、中でも認知症は社会問題となっています。
認知症は、現状不可逆的な認知機能の低下であり、元の認知機能を取り戻すことはできないとされています。
つまり、進行を遅らせることはできても、現在の医療では根治することはむずかしいということです。
厚生労働省による認知症有病率の全国調査を参照すると、2012年時点での65歳以上の高齢者における認知症の有病率は15%で、全国の患者数は約440万人と推計されています。そして、その数は2025年には約600万人~700万人に達すると見込まれます。
高齢者の5人に1人、国民17人に1人が認知症であり、この割合は年を経るにつれて増えていくと予測されています。
将来、あなたが認知症になるかもしれませんし、あなたの身近な方が認知症を患うかもしれないのです。
更に全国の調査では、認知症予備軍ともいえるMCI(軽度認知障害)の方々は380万人とされています。
MCIとは、認知機能に関して低下を感じている、あるいは同じ年代と比べて認知レベルが低下している一方で、基本的には日常生活には問題がない状態のことを指します。
行き慣れた場所への移動や使い慣れたものの扱いはできても、行ったことのない場所や新しい機械などが苦手になるほか、手際よく行動することがむずかしくなります。
もっとも、MCIの方々が、必ず認知症になるわけではありません。MCIと診断された方の中でも一年で一割程度です。そのほかの多くの方々は、MCIの状態で留まり、中には年相応に認知機能が回復するといった方もいらっしゃいます。
認知機能トレーニングは認知症予防効果だけでなく、MCIの回復も期待できるのです。
もちろん、認知症予防は一つのことにとらわれず、食事や運動など複合的に取り組むことが重要です。
認知機能トレーニング中でも、「新しいことへの挑戦」は脳にとって良い影響をもたらします。
厚生労働省の資料によれば、余暇活動は認知症のリスクを低減が見込めます。特にパズルやドリルといった頭を使うような活動は効果的であるとされています。また、毎日続けることでだんだんと脳が鍛えられていきます。
本書が掲げる円熟世代の100日習慣で、継続したトレーニングを積みましょう。
そして、まだまだ人生これからという円熟世代の皆様が健やかな人生を送れるよう、本書を通じて認知症予防に取り組んでいきましょう。